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誕生日物語その19〜ハーフバースデー初めての写真館〜

息子が初めて写真館に行ったのは、生後6か月のハーフバースデーのときです。そこは子供専門の大手の写真館でした。息子が無事に生まれ産院を退院するときに、その写真館の割引チケットをもらっていたので、ハーフバースデーの記念の1枚を撮影してもらうことにしました。

写真館に電話で予約し、いざハーフバースデー撮影当日を迎えました。我が子の写真館デビューに、夫も私もわくわくしていました。その写真館は、好きな衣装を選んで何通りも撮影し、気に入った写真を購入するというシステムでした。どんな衣装が息子に似合うかな、と真剣に衣装を選ぶ私の横で、なんと息子はぐずり始めました。初めての場所、そしていつもと違う雰囲気に何かを感じたのでしょう。私たちが必死にあやしても、息子はますます不機嫌になっていきます。仕方なく慌てて衣装を決め、だましだまし息子を着替えさせ、いよいよ撮影が始まりました。

スタッフの方は、息子の興味をひこうとタンバリンやぬいぐるみを使って、明るく声をかけてくれます。一瞬息子はそちらを見ますが、すぐにまたぐずぐずし始め、その繰り返しで撮影は進みません。そのまま20分以上経過したでしょうか。スタッフの方から「もう一度チャレンジしてみて、だめでしたら、いったん時間をおきましょう。夕方であれば予約が空いているので、また改めて来てください。」とお話がありました。

まだ小さいのだから予定通りに撮影が進まないのは仕方ないと思いましたが、他の親子が楽しそうに撮影している様子を目にすると、私は焦りを感じ、少しみじめな気持ちになりました。そんな私の気持ちが通じたのか、息子はラストチャンスでようやく笑顔を見せ、なんとか無事にハーフバースデー撮影は終わりました。できあがってきた写真の中には、ピーターパンの衣装を着せられて、少しひきつったような笑顔の息子がいました。

 

ファーストバースデー

 

1才の誕生日も同じ写真館で撮影してもらいました。2回目ということで、息子が機嫌を損ねても大丈夫なように、おやつやお気に入りのおもちゃをたくさん用意して撮影に臨みました。

タキシードに着替えた息子は、今回は一転してハイテンションです。スタジオの設備やスタッフの方に興味津々で、じっとしていることができません。スタジオの中をうろうろ動き回るため、止まってポーズをとることもままなりません。息子を落ち着かせるのに一苦労しながら、なんとかハーフバースデー撮影を終えました。

ハーフバースデーと1歳バースデーの撮影を終えて

 

2度の撮影では、そのときのベストショットを撮ってもらったものの、胸の中には少しほろ苦い気持ちが残りました。小さい子供の撮影は、子供の機嫌次第なのでスムーズには進みません。それをそういうものだと受け止められず、焦ったり周りと比べたりする自分自身に嫌気がさしました。息子のハーフバースデー写真を見るたびに、撮影に手こずってスタッフの方を困らせたことを思い出してしまうのです。せっかくのハーフバースデー記念の1枚を、もっと自然に、家で過ごしているときのような雰囲気で撮ってもらいたいと思い、違う写真館を探してみようと思うようになりました。

2歳のバースデー記念 写真館との出会い

 

そんな中で私は、図書館に向かう道の途中に小さな写真館があるのを見つけました。その建物は木造でペンキが少し剥げていて、まるで童話に出てくるおうちのようなあたたかい雰囲気があります。前を通るたびに、なんとなく惹かれるものがあり、息子の2才のバースデーフォトはそこにお願いすることにしました。

「2才になる息子の誕生日の記念に、バースデーフォト撮影をお願いします。息子は落ち着きのない性格なのですが、家で普段見せるような、自然な表情のバースデーフォトを撮ってほしいのです。」

電話でこちらの希望を伝えたところ、電話越しのスタッフの方が、

「それでは、息子さん一人の写真ではなく、お父様とお母様もご一緒の家族写真にしてはどうでしょう。」

と提案してくれました。こうして私たち家族は、その小さな写真館でバースデーフォトの家族写真を撮ることになったのです。

撮影当日は、夫も私も息子も少しおしゃれな普段着を着て向かいました。撮影スタジオは貸し切りで、自然光が降り注ぐやわらかい空間でバースデーフォト撮影が始まりました。私の予想通り、息子はスタジオの中に興味津々で好きなように動き回り始めました。夫と私はいつもどおり止めに入ろうとしましたが、スタッフさんから「息子さんはおまかせください」と話があり、私たちはカメラマンさんの指示どおりにポーズをとりました。夫は椅子に軽く腰掛け足を組み、私は斜め向きに立って手を軽く後ろで組みます。手足や首の角度について細かく注文され、ぎこちなくではありますが、ポーズが決まりました。その間、息子はスタッフの方に相手をしてもらいながら、スタジオの中を探検していました。

一通り探検を終えた息子は気分がいいようで、カメラマンさんとスタッフさんに何事か話しかけながら撮影が始まりました。2才児が話していることは意味が通らないものですが、カメラマンさんとスタッフの方は息子のよくわからない話に耳を傾けて、優しく声をかけ続けてくれました。そして時々おもしろい音やぬいぐるみの動きで息子の注意をひき、表情を引き出してくれます。息子が飽きてくると休憩したり、新たなおもちゃを投入したり、息子の動きに合わせて背景やポーズを変えてみたりと、息子のペースに合わせてじっくり時間をかけて撮影してくれました。穏やかな雰囲気の中で撮影は無事に終了し、3週間後に写真を選びに来るよう言われました。私たちはできあがりを楽しみにして写真館を後にしました。

 

小さな写真館で撮ったバースデーフォト

 

 

それから間もなく、息子の体調に異変が生じました。39度の熱が5日間続き、体中に炎症が起きていたのです。息子はすぐに大きな病院に入院することになりました。あんなに元気でじっとしていられなかった息子ですが、ごはんを食べられなくなり、動く体力もなくなり、表情も乏しくなりました。私も息子に付き添って入院し、息子の状態が落ち着いているときに家に戻るという生活が続きました。幸いにも適切な治療のおかげで炎症は治まり、熱も下がり、1週間ほどで退院できることになりました。退院日が決まりいろいろな人に連絡をしているとき、私はあの写真館からの着信に気が付きました。写真館に写真を選びに行くという予定をすっかり忘れてしまっていたのです。私はすぐに電話で謝罪し、今息子が入院中であることを伝えました。そして写真選びには行けないので、カメラマンさんに写真を選んでほしいとお願いしました。

それから数週間がたちました。息子は順調に回復し、短い時間であれば一人で動けるほどになりました。手足もお腹もまだやせ細っていましたが、少し表情に明るさが戻ってきました。そんなとき写真が完成したという連絡があり、私たちはあの小さな写真館へ向かいました。

受け取ったアルバムを開くと、そこには、ぷっくり太って生き生きとした表情を浮かべ、こちらに向かって歩き出している数か月前の息子がいました。それは、何か声を上げながら手を挙げて歩き出す息子を、後ろから夫と私が笑顔で見守っている写真でした。息子の開いた口からは声が聞こえてきそうです。もつれるように動く小さな足からは、ぱたぱたという足音も聞こえてきそうです。その写真を見ていると、またすぐにきっと元気になれる、そしていつもの日常に戻るんだという勇気と希望がわいてきました。

フォトフレームに入れたそのバースデーフォトは、毎日何気なく目に入るようにと、テレビ台の隅の方に置きました。ふと眺めては、明るい希望を抱くようにしていました。

 

 

バースデーフォトの家族写真は、ささやかなプレゼント

 

 

その後、息子の病気は回復し、誕生日や七五三、入学式など節目ごとに、私たちはその小さな写真館を訪ねています。ある年の誕生日の写真は、「HAPPY BIRTHDAY」と書かれたケーキ型のボードを、息子が胸の前に持つはずが、頭の上にのせてしまい、みんなで笑っている1枚になりました。また小学校入学の記念写真では、息子は大人ぶって腕を組み、夫と同じポーズをしておさまりました。写真を見るたびに、撮影した時のエピソードが思い出され、幸せな気持ちになります。

写真は一瞬を切り取るものですが、そこからあふれ出す思い出は、いつでも私たちの心を勇気や希望で満たしてくれます。時がたち変化がおきるほどに、その思い出は価値を高め、これからを生きる私たちを支えてくれるものだと感じています。

今、息子は順調に成長し、私の目の横に息子の頭のてっぺんがくるほどになりました。反抗期が始まり、減らず口をたたいては、ふてくされた態度をみせています。それでも息子の誕生日がくると、私たち家族はあの小さな写真館に向かいます。私にとって家族写真とは、今の自分から未来の自分へ希望を届ける、ささやかなプレゼントなのです。

 

 

 

ハーフバースデーフォト1歳お誕生日撮影は
福岡市フォトスタジオ原田写真館(香椎参道通り)

原田写真館バースデーフォト専用ホームページ
http://birthday-haradaphoto.com/

 

ファーストバースデー・ハーフバースデー/写真ギャラリー
http://birthday-haradaphoto.com/gallery/

原田写真館Since1969 オフィシャルホームページ
https://www.harada1969.com